2016年 夏の北海道 No.11

2016年夏の北海道ツアー by Jimny  その11

名古屋までの帰り道
もう1ケ所訪ねてみたいところがあり、昨夜は目的地近くの道の駅で寝ました。
思ったより居心地が良く、夜は遠くから祭ばやしの練習が聞こえてきたり、朝から近くを散歩したりして気分爽快。

早速ナビで分かりづらい三沢基地周辺をぐるりと回ってやってきました。ここは県の施設なんですよね、そのスケールには驚きます、予算がいっぱいあるんでしょうね。こんな素晴らしい施設がこの地にあるとは思ってもいませんでした。

青森県立三沢航空科学館へいざ!

三沢基地のお膝元、軍関係のオブジェがあるかと思っていたら、やはりこの地に一番関わりのある機体でしたね・・・





それにしても豪華です、街中には作れません!




近づいたら「写真を撮るな!」の表示がありましたので、少し離れてお隣の三沢基地。




そして科学館の外周道路を回って建物の裏側に行くと屋外展示場があります。




車で1周してきたら正面玄関から入りましょう、開館時間だと言うのに誰もいません。




一番先にここへ行きます。

ミス・ビードル号は1931年型のベランカ スカイロケットJ-300型の長距離改造型である。800ガロンの燃料を搭載できた。パングボーンとハーンドンは日本滞在中に、さらに燃料の搭載量を増やし、空気抵抗低減のために主脚を切り離せるように改造した。950ガロンの燃料を搭載して離陸した。もともとは世界一周の早回り飛行が目的であったが日本に到着したころには、世界一周の早回り記録の更新は絶望的になっていたので、目標を太平洋無着陸飛行に変えたものである。アメリカに到着し、着陸できるワシントン州やオレゴン州の飛行場を探したがどこも悪天候のなかであったので、ハーンドンの故郷に近い、ウェナッチの近くに着陸することに決めた。ウェナッチでの着陸は、脚は太平洋に捨てていたので、胴体着陸した。機体はプロペラが折れるなど破損したが、修理可能でパングボーンとハーンドンも無事であった。(ウィキペディアより)




これはレプリカ機ですが良く出来ています。細かなところを当時の写真と照らし合わせると微妙に違いがありますが、レプリカにしては合格点でしょう。大変なお金がかかっていますからね。




スケールモデラーのサガ・・・細かなところに目が行ってしまいます、木を見て森を見ず? いや、森も見てますが。




増設した燃料タンクでお腹が膨らんだ処理は、かなり強引にかつシンプルに・・・




模型ではこんなところまで細かく表現できませんけど、写真を撮っておけばどの様な構造になっているのか?という疑問には答えられます。




エンジンは新品なのかそれとも?




まったく回していないんでしょうかオイルが滲んでいません。




やっと全景(左翼を除く)




恐らくこの機体は飛べないんでしょうけど、作りは手が込んでいます。
実際に飛んできたレプリカ機はカウルが黒だったのに・・・どうして色変えたんでしょうか。




後部の窓。




垂直尾翼の数字は癖のある書体ですね。




主翼両面にある整流板? ベランカ・スカイロケットにはみんな付いていたようです。




写真撮ったり、パネルを眺めたり、この機体だけは個別のブースになっていますから、ここでの重要度は特別なんでしょうね、これ1機だけではインパクト弱いかもしれませんが。
しかしこの航空科学館のすごい所は、このミス・ビードルだけにおんぶしていないで、「他にも注目機は色々ございますよ!」と頑張っているところでしょうか。

ここにしか無い「航研機」のレプリカも恐らくこれ1機で主役になれるほどの機体なんですが、どちらかといえばひっそりと?展示されています。
この機体は九州で作られ青森まで運ばれたんですね。実機と同じ様な方法で作られたのか、それとも? 詳細は不明ですが、中身はともかく外観が似てりゃそれ以上望むものはございません。




当時の少ない資料で機体を作ることは、「色々な説」とかが出てきたりすると大変でしょうね。胴体のパネルサイズとか、鋲のピッチとか、色の調合とか・・・




各パネルの合わせ目が美し過ぎるといえば、そうなんでしょうけど。
ミス・ビードルのおおらかさは日本製には見られません。




今回期間限定で展示されていました「一式双発高等練習機」




近くの十和田湖から引き上げられた機体です。塩水じゃないんですが、69年間でかなり腐食が進んでいます。




「重要航空遺産」となっています、日本ではこの種の機体でも貴重ですからね。
戦闘機の様な華やかさは無いけれど、どこかノスタルジックな雰囲気が漂っています。




胴体この部分は修復に苦労の跡が見えます、しわしわになった紙を手で伸ばすように。




立川飛行機で1342機も生産されたんですね。
その割には認知度がいまいち、まあ、練習機ですから




錆びていない所は非常に美しい外板処理がされているみたい。




昭和18年9月にエンジントラブルで十和田湖に不時着。
垂直尾翼には飛行部隊マークも残っています。(北部第74部隊)




こちらはレストアしたエンジン。日立(瓦斯電)製 九八式 空冷星型9気筒 470馬力




ノーズは完全に凹んじゃってます。




こちらはそのままのエンジンでサビサビ・・・




主翼の航空灯、アルミの傘に裸電球みたいな感じです。




ちょっと痛々しい・・・




いやー楽しかった! 時間の経つのも忘れて遊んじゃいました、開館から5時間もいましたよ。今回の三沢航空科学館は非常に素晴らしい博物館でした。科学館とうたうだけあって色々な実験施設や道具、そして子どもたちが理解できる航空関係の遊びやパネルなども充実していました。東北地方唯一の航空博物館だと思いますが、立地条件に恵まれていますから、この地でこれを上回るものを作ることは恐らく不可能でしょう。



そろそろ家が恋しくなりましたので、この旅行もこれで終了とします。

三沢市内を通過して帰路につきました。何処から帰る? 来た道を戻ろう。
高速は使いませんが、名古屋まで2日見とけば大丈夫。



もう秋の空?




「名古屋コーチン」のライバル? 比内地鶏は有名なんですね。
ここの道の駅で仮眠。




日本海側を目指して・・・




「道の駅・かみこあに(上小阿仁)」で仮眠。
朝から立ちっぱなしだったせいか、お疲れモードです。




深夜ノンストップで走り、酒田、鶴岡、新潟を通り長岡市に入る。
野沢温泉村近くにある道の駅で仮眠、そして朝。





長野県に入ればもう家に着いたも同然? くらい走ってきました。
そして塩尻からは通い慣れた道・・・ もう安心です。
総走行キロ数 4,221キロでした。





(完)

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